子どもが感動しやすいテーマと話題

1.絵の題材、絵手紙のテーマ(話題)

2年生以降、高学年まで提案する絵の題材、絵手紙のテーマ(話題は次のものがあります。

1. 自然とのふれあい 
2. 動物や生き物との出会い 
3. 人との関わり 
誰かに優しくされたとき(転んだときに手を差し伸べてもらうなど)
誰かのために何かをして「ありがとう」と言われたとき
家族の温かさ(誕生日、料理、お手紙など)
誰かに注意された時、叱られた時、ほめられた時。

4. 季節の行事や特別な体験 
5. 身近なモノとの出会いや発見 
6.できなかったことができた」喜び
7.友だちとのけんかや仲直りなどで、心が動いた瞬間 
8.お母さん、お父さんから叱られたこと ほめられたこと
9.お手伝いできたこと 
10.おいしいと思って食べたもの

2.子どもが感動しやすいテーマ・体験

上の話題と重複するものがあります。具体的な項目です。
1. 自然とのふれあい

  • 初めて見る虹や星空、きれいな夕焼け、雪、澄みきった青い空。
  • 花が咲く時、葉っぱが色づく、くだものや野菜の成長を見た時。
  • 虫が動いているのを見たとき、魚が泳いでいるのを見た時。
  • 海岸で広い海を見た時、山など高いところから風景を見た時、大きな自然風景。

2. 動物や生き物との出会い

  • 犬がうれしそうに走るのを見た時、猫が甘えた声で鳴いている時、犬の散歩、吠える声。
  • 虫が動いているのを見たとき、魚が泳いでいるのを見た時。
  • 卵からかえったヒヨコやカブトムシの幼虫がさなぎになる瞬間
  • 動物園や水族館で初めて見る動物

3. 人との関わり

  • 誰かに優しくされたとき(転んだときに手を差し伸べてもらうなど)
  • 誰かのために何かをして「ありがとう」と言われたとき
  • 家族の温かさ(誕生日、料理、お手紙など)
  • 誰かに注意された時、叱られた時

4. 季節の行事や特別な体験

  • お祭りや運動会、遠足、誕生日などの特別な行事の体験
  • 花火やイルミネーション、キャンプファイヤーなど「非日常」の体験
  • 自分が頑張って達成したこと(跳び箱が跳べた、字が書けた など)

5. 身近なモノとの出会いや発見

  • 初めて使う文房具、道具、おもちゃ
  • 果物や野菜を切ったときの断面や匂い
  • 水や砂など、五感で楽しめる素材とのふれあい

6. 自分の内面の変化に気づいたとき

  • 「できなかったことができた」喜び
  • 絵や作品が上手くできたときの達成感
  • 友だちとのけんかや仲直りなどで、心が動いた瞬間

3.子どもが心に感じたことを思い出させる話題。それを書かせましょう。


子どもが自分の体験したことで感じたこと、心で思ったことは絵手紙にぴったりの素材です。

1.最近、うれしかったことは何ですか。

2.「びっくりした」ことは何ですか?(びっくりしたことはあった?)

3.「こわかった」ことはなんですか?(自転車や車にぶつかりそうになった。)

 (怖い犬に追いかけられた。吠えられた。)

4.「やさしい気持ちになった」と思う瞬間はなかったですか?(きれいな花を見た時、赤ちゃんを見た時)「お家でやさしいなと思ったことあった?」

子どもが絵手紙を書こうとする活動の場面です。先生や両親に褒められたいという気持ちの子どもの心があります。自分の本当の気持ちを見つめることがなく、他の人の評価を気にする傾向があります。

「褒められたい」「うまく書きたい」という気持ちは自然なことですが、それが強くなりすぎると、子どもが本当に感じていることが表現できません。

4.評価を気にしすぎる子どもに見られる傾向

  • 「うまく書けてる?」「この色で合ってる?」と他人に正解を求める
  • 人の絵を見てマネしようとする
  • 心の中よりも「うまそうに見える絵」「上手に見える言葉」を選ぶ
  • 書く前に「なんて書けばいい?」と聞いてくる

これらは、「感じたこと」よりも「正しく見せたい」「失敗したくない」という気持ちが強く働いている証拠です。

5.子どもが「自分の気持ちに気づいて、表現したくなる」ための5つの工夫

1. 「正解はない」という安心感を伝える

絵手紙は、うまい・へたじゃなくて、自分の気持ちを絵とことばで伝えるものだよ」

と繰り返し伝えることで、「自分の感じたこと」が価値のあるものだと気づかせてあげます。

2. 小さな体験に目を向けさせる対話

「最近、おいしかったものは何?どんな味がした?」
「お母さんが言った言葉で、心があったかくなったことはあった?」

など、絵にする前に“心の中”を言葉で整理できるように、問いかけをしてあげます。

3. 他人と比べさせない場作り

  • 「みんなちがって、みんないい」という空気を作る
  • 展示するときも「一番うまい子」ではなく、「心が動いた絵」を紹介する
  • 「感じたこと(気持ち)が伝わってくるね」というコメントをする

4. 「先生も一緒に感じる人」でいる

先生自身が、

「この間、風が気持ちよくて空を見たら、すごくきれいだったの」
と、感動したことを絵や言葉で見せると、子どもたちも「こんなことでいいんだ」と心を開きやすくなります。


5. 子どもにかけたい一言(例)

  • 「それ、○○ちゃんしか気づかないことかもしれないね。すごいね」
  • 「先生は、その気持ちが伝わってきてドキッとしたよ」
  • 「心の中で“これ、描きたいな”って思ったことを大事にしてみよう」

子どもが「感じたことを表現するのは気持ちがいい!」と実感できるようになると、評価を求める気持ちは自然にバランスがとれていきます。