小学生の絵手紙・準備の方法

小学生の絵手紙教室・事前に考えましょう。

1.線書きは、毛筆かマーカーかどちらにしますか?

低学年と高学年を一緒に教えるのは難しい。

小学生は成長が早い。絵手紙を教えるのにも、1~2年生と3~4年生、5~6年生と3つのグループに分けて教えるのが望ましい。

しかし、子供の数が少なく、合同で絵手紙教室を行うことが多い。

低学年は、墨と毛筆を使うやり方ができません。

筆を使えないほどつぶしたり、墨をこぼしたりしてしまいます。

書道を習う年齢、高学年の子供たちにはお勧めです。

マーカーやサインペンを使っての線描きは、低学年でも安心してできます。

毛筆が本格的な道具であることは、伝えましょう。

しかし、一日だけの絵手紙にしないためには、身近にある筆記具、マーカーなどを使うことを勧めていきたい。

毛筆と墨を使うかどうかは初めに決めておくべき大切な点です。

2.思いやりの心を育てるための絵手紙が目標。


絵手紙の基本は相手を思う手紙です。

小学生はどうしても、周りの友だちと比べて上手とか下手とか考えてしまいます。

絵手紙は、親や祖父母に書く手紙と思われるかもしれません。

基本は何を書いてもいい、ですが、学校では特に「相手を思うこころ」を育てたいと思います。

自由に書かせることと思いやりの心を育てる、その両立が難しい。そこで、野菜の絵であれば「形の悪いくだものをほめよう」どんなほめ言葉がいいかな?  

友だちであれば、どんなことをして、ありがとう。あそんでくれてありがとう。

どんな遊びが楽しかったのかな。

ポイントは、野菜も友だちもいい所を探してほめようという提案をしてみよう。

ものすごい、感動的な反応が返ってくる。子供の吸収力はスゴイ。

要は、指導する側のハートにかかっている。

3.遅く書く子、早く書く子、何でも聞いてくる子、聞かない子に備える。

話を聞かない子、最後まで聞かないで書く子がいる。

速く書く子。そいう子が意外に書くのが早い。気が短い。回転が早い。

早く書く子が次に何を書けばいいか聞いてくる。

もう書いたの?見れば、ずいぶん乱雑です。

「自分がもらって嬉しいものを書こう」もっとていねいにとハッキリ言おう。

でも、そういう子は書きたいことが次々と浮かんでくる。

あたまに浮かんだものをメモさせて、それから番号をつけて選んでもらう。

そういう子には、多く書かせるようにハガキを多く渡したり、大きな紙を渡そう。

遅く書く子。
遅く書く子に、急がせるのは良くない。

遅く書く子に注意を向けて、その子供にペースを合わせて、進めさせよう。

どこが、迷っているのか分かったら直ぐに教えてやりましょう。

場合によっては、一部分を、さりげなく手伝って書いてあげてもいい。手伝い過ぎは禁物。

何でも何回も聞いてくる子供。

そこが、かわいいのですが、多くの時間が奪われてしまう。

聞かれたら、答えを教えるのではなく考えさせるようにしましょう。

質問をいくつもしましょう。

考えていると次の質問が出ます。

「ここは、どういう風に書くんですか?」「どういう風にかいてもいい。こう書いてはだめということはないよ。

半紙の余っているところに2つ提案して書く。

こういう書き方とこういう書き方のどちらがいい?

自分で考える時間を与えよう。

ただし、お友だちが、(受け取る相手が)喜ぶように。

「やり方に、書き方に答えは無い」ことをしっかり伝えると、自分で考えてくれます。

聞かない子

質問しないで「困っている子」には、質問をしても良いときがあると言いましょう。

特に、何かをハガキにこぼしたり、大きく汚したりして失敗したと思って、何も言わない子供に注意を向けましょう。

こういう時の対応が大切です。

絵手紙には、失敗は無いと言うこと。

大きく墨をこぼしたりは、良くあること。私もあるよと言って、「よく見てみよう。

こぼした所を生かしてみましょう」ここが講師の腕の見せ所。その失敗を生かすアイデアをこっそり教えてあげよう。

4.失敗が多いことを前提に準備する。

床に水をこぼした、テーブルを汚した、何かを壊したなどのことは前もって考えておく。

水の入ったバケツや雑巾を準備しておきます。

きれいな水の入れ物に汚れた筆を入れてすぐに洗う人がいます。

洗い過ぎに注意です。服を汚す、色の付いた筆を落とす、飛ばすなどもあります。

筆の使い方に慣れていないので、筆の根元まで目いっぱい潰してしまう子供もいます。何でも起こりえます。

5.(重要)書き方に時間を多く取り、残り10分~15分でまとめます。

まとめというのは、書いた人の作品を見て、どこが良かったと思うのか感想を言って貰います。

講師はわずかのヒントや質問だけにしましょう。

この「まとめ」のやり方、話がとても大切。子供一人ひとりの良い点を楽しくお話します。

最後の、この10分(決まってはいない)が、笑いと楽しさに満ちたお話で締めくくりましょう。

そして、いつでも、鉛筆でもいいので絵手紙を書くように励まします。

終わった後、帰り際に女の子が話しかけてくる時のこと。

「せんせい、私、塾や習い事が多くて忙しいの、絵手紙書きたいけど時間が無くて、、」

「分かっているの、親が私の将来のために勉強させているのは、、」

私の返答は「絵手紙はこころの中で黙っても書けるんだよ」。

お父さんお母さんに口で思ったことをしっかり考えて伝えることも絵手紙みたいですよ。

「ありがとうを口で言うのも絵を書いて伝えるのも、どちらでもいいんだよ」そんな会話をしました。


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